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小片小説 vol.3~SUITCASE~

イラストレーターのYuko MとライターのAkko Nで、言葉とイメージをコラージュさせてつくる小片小説。

絵から物語が導かれたり、文章からイラストが生まれたり、あるいは単語の断片からイメージと文章が膨らみ、全然違う方向へ暴走したり。

不定期の連載で公開順も気まぐれという、どうなっていくかまったく予想がつかない、少し奇妙で不条理なシリーズ。第三回目は「SUITCASE」です。

 

 

スーツケースを開くと、なにかがいて、こっちを見つめてくる。

追い出そうと試みたが、張りついたように動かない。

なだめたりすかしたり、大声で脅してみたけれど、動じる気配がない。

仕方がないので無視し、荷物を押し込んで出発した。

 

旅先で荷が増えるに従い、そいつは小さくなっていった。

最終日になると、ピンポン玉くらいの大きさになって丸まっている。

帰路について荷物を出し、蓋を閉じようとすると元に戻った。

 

そいつがそのまま居座っていて、古くなったスーツケースを捨てられない。 

 

 

【Illustration:Yuko M  Text:Akko N】

【過去の小片小説はこちら】

小片小説 vol.1~VAPOUR~

小片小説 vol.2~CASSANDRE THE PROPHET~

 

【Yuko M】

84年までロンドンで過ごす。以降、国内外を転々とする。一時は音楽系の会社に就職するが、留学を機に04年渡英。08年ロンドン芸術大学、セントラル・セントマーティンズ・カレッジ・オブ・アート卒業。恩師のすすめで高級ブランドのデザイナーアシスタント、ファッションスケッチの非常勤講師など務める。SUNDAY TIMES 「STYLE」誌、HARVEY NICHOLS、NET-A-PORTERなどに作品を寄稿。帰国後は商業デザインをする傍ら、気の赴くままに音楽やファッション関連の絵を描いている。

《Tumblr》http://fancykoalacrusade.tumblr.com/ 

 

【Akko N(中野昭子)の過去の記事はこちら】

映画ファン垂涎の企画 『ベルイマン生誕100年映画祭』で、映像美に酔いしれる
移りゆく儚き美の世界 『D’un jour à l’autre 巡りゆく日々』サラ ・ムーン写真展
洗練された笑いと毒 リューベン・オストルンド監督『ザ・スクエア 思いやりの聖域
映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』で、奇才の頭の中を垣間見る

Source: Girls Artalk(ガールズアートーク)|アートに恋するワタシのメディア

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